『ルート29』の公開を記念して
森井監督の前作であり、本作にも出演する大沢一菜さんが主演をつとめた『こちらあみ子』の特別上映会を実施いたしました!
大沢さんと森井監督が登壇し、『こちらあみ子』が『ルート29』にもたらしたもの、
撮影の裏話など、思い出を振り返りながら語っていただきました。
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上映前に登壇した大沢さんと森井監督。
『こちらあみ子』に関してキャスティングの決め手を聞くと、森井監督は「最初にオーディション会場に現れた時に、一番僕の話を聞く感じがなかったんですよね。(笑)オーディション始まる前の部屋にいたところに話しかけた時に、そっぽを向いて「うん」、「はい」って感じだったんですよね。」と振り返る。
大沢さんは「ものすごく緊張していたのを覚えている!」とあまり意識していなかった様子。
そこから『こちらあみ子』の撮影を振り返ると「スタッフさんもすごい優しくて、すぐ溶け込める雰囲気を監督が作ってくれたし、ほぼ遊んでました!」と無邪気な大沢さんに、「ほぼ遊んでたね」と監督も答え、楽しそうなおふたり。
「一菜だけではなくて、子どもたちは無茶苦茶になっているんですが、その時にしか撮れないものがあるということも分かっていたので、尾野さんも新さんもそれに参加してくれて。“ちゃんとしない”、をやるっていう。先生はいない、大人は何も怒らない、という感じでしたね。」と撮影の裏話を振り返った。
「生きていていちばん自由だったと思う。」と大沢さんの堂々とした話しぶりに、会場は笑いに包まれた。
初めての撮影現場での共演者の印象を尋ねられると、「テレビとかでは見たことあるけど、実際に見ると、すごいなと思いましたね。新さんもあみ子を無視している感じがすごかったです。」と尾野真千子さん、井浦新さんの印象を話す大沢さん。
そこから尾野さんの泣くシーンの話になると、「何もテストやリハーサルとかはしないで、尾野さんからもあのお墓を本当に初めて見たいとのことで、本当に初めての感覚でやりましたね。」と裏話が監督から飛び出た。
『こちらあみ子』での“あみ子”の役作りの話になると、「⻑いセリフがたくさんあったので、事前に10日間前に(大沢さんに)広島に入ってもらって、毎日リハーサルをやったんですね。歩き回ったり、ぶら下がったり、遊びながらセリフを反復してもらうというのをやって。感情をつくってセリフを言ってもらうのではなくて、その場で、どんな状況でもセリフが言えるように、という特訓をしましたね。」と明かす監督。
大沢さんも「『こちらあみ子』のときは何も言われていないですね。「一菜のままでいてくれ」としか言われてない。」と振り返る。
そこから『ルート29』の話になると、
『ルート29』ではハルを大沢さんにあてがきした監督。「『こちらあみ子』を撮った後も会っていて、その時に(大沢さんが)「どこかかっこいいところがあるな」と思っていて、それをちゃんと映画で表現できるような役をみてみたいなというところがありました。」と大沢さんにあてがきをしたいと思った経緯を話すも、大沢さんは「自分は『こちらあみ子』の時から変わっているのかわからないですね」とクールな返し。『こちらあみ子』の撮影後、森井監督が寂しさのあまりホテルで泣き暮らしていたというエピソードが紹介されると、「撮影後がすごいエモーショナルなお別れで、あみこのパンフレットに詳細を書いているんですが、一菜がその当時「東京リベンジャーズ」がすごい好きで、最終日に突然、挨拶しだして、“総⻑”をやり始めて。(笑)「〇〇部の〇〇はよくやった!」と皆に言って、皆で号泣していたんですね。そこで、最後⻑い階段を降りていって去っていたので、とても劇的だったんです。」と印象的なエピソードを細かに語る森井監督だったが、大沢さんは覚えていない様子で、驚く森井監督。「ホテルに帰って泣いたのは覚えている。「一番楽しかったけど、終わっちゃったな」という感情でした。」と大沢さん自身の思い出も振り返った。
『ルート29』での綾瀬さんとの共演についての話になると、「その時だけ、監督、“神” だと思ったし、現場で(綾瀬さんに)会ってみて、笑顔で優しい人なのかと思ったら本当にそのままで、もっと好きになって、好きになりすぎて話しかけられなかったし、見れなかったから、近寄れなくて恥ずかしかったです。でも、だんだん打ち解けてきて、虫を一緒に捕まえたり、監督が来た時に、爆弾投げて監督を倒すというアクションごっこしたりしましたね」と面白いエピソードに会場は笑いに包まれた。
『こちらあみ子』と『ルート29』では二人の現場でのやり取りも異なったようで、「ちゃんと芝居をするひとりの人間になっているな、意識が芽生えているなと思いました。演技をするということを意識しているなという感覚ですね。」と大沢さんの印象を語る森井監督。「綾瀬はるかさんと大沢一菜さんのふたりの話なので、ふたりを対等にしたいと思っていたので、綾瀬さんと接するように、一菜にも接したいと思っていました。」と意識した点を森井監督が話すと、「一番大切なシーンの時、「ひとりぼっちで宇宙にいるような感覚でいて」と言われて、 『こちらあみ子』の時とは、ちょっと違うなと思いましたね。最初は何言っているんだろうなと思ったけど、よくよく一人の部屋で考えていたら、「ハルはこういう気持ちなんだな」というのを実感して、そのままハルの気持ちを出せばいいのかなと思いました。」と大沢さん。「一菜のそういう感じなのが面白かったですね。芝居が奥深いなと思いましたね。」と大沢さんを絶賛する森井監督。仲の良さをMCが指摘すると、「親友?」と森井監督を見る大沢さんに、「たまに言ってくれるんですよね。」と嬉しそうな監督だった。
大沢さんに今後の展望を尋ねると「(演技を)続けて行きたいし、撮影現場に行くと、学校で嫌なことがあっても忘れられるのがすごく好きだから、これからもやっていきたい!」と今後も楽しみになるような返答が。そんな大沢さんの魅力を、「もう『ルート29』を観ていただいたらわかると思いますが、言葉では形容し難いですが、ハンパないと思います。撮っていてすごく面白いんですよね。底力がおありなんです。」と力強く語る森井監督。和やかな雰囲気のまま、イベントは幕を閉じた。
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